簡単青色決算書(複式版)を
徹底的に利用していただくために


★ 仕訳教室

 簡単青色決算書(複式・一般)を使用するには、多少とも簿記の知識が必要となるのは、Reademe.txtなどに記載したとおりです。
 ところが簿記の知識はあっても、いざ実務に対応していくだけの簿記の能力ということになると、『なかなか修得しがたい』というのが現状ではないでしょうか。
 『複式簿記で帳簿を作成して、貸借対照表も作成したいのは山々なんだけど、難しくて……』、というのはよく聞く話です。
 そこで、そんな個人事業主の皆さんの助けとなるように、仕訳教室を開催することにしました。
 実際に生じるであろう様々な取引に応じた仕訳例を、実例をあげながらご紹介することにします。
 特に、市販のテキストには記載されていないような仕訳例を、できるだけ多く取り上げるように心がけました。
 小規模法人の場合も、基本的には同様に扱って頂いて良いのですが、若干違うところもありますのでご注意ください(その都度
注記します)。
 なお、ここに記載した文は、すべて私の私見であることをお断りいたします。
 また、ここに記載している内容の全部又は一部についての無断引用・無断転載は、堅くお断りいたします。

【注意】
 1.金額はあくまで参考としてもらうためのもので、でたらめです(と言うか、思いつくままに書いたので)。
 2.仕訳の左側を借方、右側を貸方といいます。
   えっ? な、何故かって? いやぁ…、そう決まっているんですよぉ〜。(゚_゚;)
 3.一組の仕訳では、借方合計・貸方合計は絶対に一致します。
   一組の仕訳で借方合計・貸方合計が一致する以上、年間トータルの借方合計・貸方合計も、必ず一致します。
   これを、貸借平均の原則といいます。
   もし一致していなかったら、それらの仕訳はどこかに間違いがあります。
 4.仕訳例は、徐々に増やしていきたいと思います。
 5.仕訳のすべては、ネット上でとても語り尽くせるものではありません。
   もっと詳しいことを知りたい場合は、ご自身でお調べになるか、
SOHOの支援をご検討ください。
 6.貸借対照表は“結果”、損益計算書は“原因”と考えて、概ね間違いありません。
   つまり…、
      売上が10万円あった結果、現金が10万円増えた
      20万円の仕入をした結果、買掛金が20万円増えた
      損益計算書のような経営成績が上がった結果、貸借対照表のような財務状態となった、と。
   まぁ実際は、もうちょっと複雑ですが。
 7.経理方法は、すべて税込経理を採用しています。

【参考】 三分割法(俗名? 三分法)について

 簿記のテキストを見ると、必ずと言ってよいほど載っているのが三分法。
 何のコトやら分からないとおっしゃる方が多いのも、実はこの三分法だったりします。(^^;)
 ごく簡単に言いますと、商品をその時々の形態に応じて3つの方法で認識するため、この名があります。
    商品を売った時   → 売上
    商品を仕入れた時  → 仕入
    商品の棚卸をした時 → 商品
 同じ商品なのに、売上・仕入・商品と、その名称を変えていますね。
 実は、売上・売上原価を算定する方法は、この三分法以外にもたくさんの方法が存在します。
 ですが、簡単で分かりやすい三分法が、一般的に使われているのです。
 更に詳しいことをお知りになりたい方は、簿記のテキストをどうぞ。

 

★ 事業の開始

    
01 事業開始時の処理について   02 事業資金を借入れた場合    03 開業費の扱いについて   
    04                05                06              



★ 翌年度の処理

    
01 経過勘定の処理        02                03              



★ 財務活動

    
01 手形を割引いた        02 手形を裏書きした       03 借金の月々の返済     
    
04 借金の一括返済        05 自動車の購入         06 パソコンの購入      
    
07 事務所の賃貸         08 備品のリース         09 パソコンを売った     
    
10 パソコンを捨てた       11 手形が満期に…        12 手形が不渡りに…     
    13                14                15              



★ 売上

    
01 売上があった         02 売掛金になるの?       03 代金を入金した      
    
04 受取手形って?        05 値引に応じた         06 返品された        
    
07 源泉税を引かれた       08 自家消費した         09              



★ 仕入

    
01 仕入れた           02 買掛金になるの?       03 代金を支払った      
    
04 支払手形って?        05 値引に応じてくれた      06 返品した         
    
07 小切手を郵送した       08 商品を廃棄した        09              



★ 必要経費

    
01 給料を支払った        02 得意先を接待した       03 社会保険料の引落し    
    
04 電話代の引落し        05 ハイカを買った        06 文房具を買った      
    
07 広告を出した         08 水道代の引落し        09 ガソリンを入れた     
    
10 車検に出した         11 ルーターを買った       12 労働保険の納付      
    
13 所得税を支払った       14 所得税の還付         15 事業税を支払った     
    
16 盗難にあった         17 貸倒にあった         18 機械を修繕した      
    
19 海外出張           20 研修会への出席        21 付帯税を支払った     
    
22 得意先の子弟が入学した    23 インスタントコーヒーを買った 24 喫茶店で打ち合わせをした 
    
25 商品を贈った         26 オンラインソフトを購入した  27                



★ その他

    
01 源泉税を納付した       02 法人の預金利息        03 法人税を納付した     
    
04 法人税が還ってきた      05                06                



★ 事業主勘定

    
01 預金利息が付いた       02 店主からお金を…       03 生活費を渡した      
    
04 生命保険の引落し       05 定期預金預入れ        06 翌年への繰越       
    07                08                09              



★ 決算

    
01 減価償却【定額法】      02 減価償却【定率法】      03 減価償却【均等償却】   
    
04 減価償却【一括償却】     05 減価償却【即時償却】     06 売掛金について      
    
07 買掛金について        08                09               

 

 

 

★ 事業の開始

01 事業開始時の処理について

 
簿記のテキストなどには、『元入金10万円を投入して、事業を開始した』などという例が良く書かれていますよね。
 
【設例】 事業開始に際し、個人事業主の私的資金を200,000円投入した。
 
【仕訳】     現   金  200,000  /  元 入 金  200,000
 【解説】
 【注意】1)法人の場合は資本金が別途確保されているはずなので、こういうレベルの事業用資金云々という話は、基本的には
      出てこないことになる。
      また法人の場合、払い込んだ資金については『資本金』という科目を使う。

 
しかし私は、こんなパターンで事業を開始したなんてハナシ、あまり聞いたことがありません。(笑)
 
一番良く見聞きするのは、支払があった都度(必要な都度)、事業主の私的な預金から引き出して支払っている例です。
 【設例】 事務機の取得に充てるため、事業主の私的な預金から80,000円を引き出した。
 【仕訳】     
現   金   80,000  /  元 入 金   80,000
 【解説】1)売上が発生して、現金が廻り始めるまではこれで良いと思う(というか、これが実態)。
     2)この設例の場合、もちろん資産を購入したのですから…
          
消耗 品費   80,000  /  現   金   80,000
      の仕訳が必要なのは、言うまでも無い。
 【注意】1)資金の移動は通帳を通すなど、後からでも容易に検証できるようにしておく。
     2)元入金の代わりに、事業主借を使用してももちろん良い。

 
そういう意味で、一番良いのは…
 【設例】 事業用資金とするため、事業主の私的な普通預金から事業用の普通預金に、200,000円を振り込んだ。
 【仕訳】     
普通 預金  200,000  /  元 入 金  200,000
 【解説】1)事業に必要な資金は、ここから引き出すようにする。
 【注意】2)事業用の資金と、私的な資金とが混入しないように、事業用の通帳は必ず別途作成するようにする。
      ここから家事費(家庭用の電話代・水道光熱費など)の引き落としなどは、決してしないようにする。

 

02 事業資金を借入れた場合

 事業資金も、手持ち資金だけで賄えれば問題ないのですが、なかなかそういう訳にもいきません。
 そこで、借金をしなければならなくなるのですが…。
 【設例】 事業用資金を、銀行から1,000,000円を借り入れた。
      ただし、手数料 5,000円・保証料(5年分)40,000円を差し引かれて、普通預金へ振り込まれた。
 【仕訳】     
普通 預金  955,000  /  長期借入金 1,000,000
          
支払手数料   5,000
          
支払保証料   40,000
 【解説】 保証料40,000円は5年分であるため、決算時において月割り計算で繰り延べ処理する。
      借り入れたのが仮に7月だとしたら、繰り延べ処理は…
          前払 費用   36,000  /  支払保証料   36,000
      40,000円−(40,000円×(6ヶ月/60ヶ月))=36,000円
 【注意】 前払費用というのは資産勘定で、翌年に繰り越すことにより、保証料を期間に応じて必要経費化していくためのもの。
      支払保証料は、支払手数料でも良い。
      ただし、保証期間が1年以内の場合は、前払費用に振り替えずに、全額を支払った年の必要経費としても構わない。


 
当座借越をうまく利用して、資金調達を行っている方もいるかも知れません。
 【設例】 残高100,000円の当座預金から、当座借越契約に基づき1,000,000円を引き出した。
 【仕訳】     
現   金 1,000,000  /  当座 預金 1,000,000
 【解説】1)期中においては、当座預金勘定で処理して支障無い。
     2)また、当座預金勘定ではなく、当座勘定を使用すべきであるとの意見もある。
      マイナスとなる預金など存在しない、というのがその論拠。
 【注意】1)設例の状態で決算期を迎えると、当座預金勘定の残高は、△900,000円となる。
      これではおかしいので、決算時に次の仕訳を行う。
          
当座 預金  900,000  /  借 入 金  900,000
      翌期首においては、反対仕訳を行わなければならない。
          
借 入 金  900,000  /  当座 預金  900,000
     2)もっとも、当座借越契約は担保が必要だったりと、結構面倒かも知れない。


 
親兄弟や親戚などから借りることもあるかも知れません。
 【設例】 親から、事業資金1,000,000円を借りた。
 【仕訳】     
現   金 1,000,000  /  借 入 金 1,000,000
 【解説】1)この方法は、借入金として仕訳したもの。
     2)事業主勘定で処理しても、問題はない。
      ただし、下記の金銭消費貸借契約書は、作成しておくこと。
 【注意】1)“ある時払いの催促無し”じゃ無いんだということを明らかにするため、きちんと『金銭消費貸借契約書』は作成しておくこと。
     2)ある時払いの催促無しは、贈与に等しいと認識しておくこと。
     3)利息については、支払わなくても問題ない。

 

 

03 開業費の扱いについて

 
開業のために特別に要した費用の額は、開業費として処理することになります。
 【設例】 開業したことを宣伝するため、関係者を招いて開業記念パーティーを開催した。
 【仕訳】     
開 業 費  200,000  /  現   金  200,000
 【解説】1)この開業費は、その支出した日の属する年の必要経費とはならず、5年間で均等償却することになる。
     2)開業費の償却は、次の通りである。
          
開業費償却   40,000  /  開 業 費   40,000
 【注意】1)開業費は、あくまで『開業のために特別に要した費用の額』である。
      従って、通常の経費は、その支出した日の属する年の必要経費となることに注意。

 

 

 

★ 翌年度の処理

01 経過勘定の処理

 前年の決算時において、前払費用として繰延処理した家賃があった場合、どうするのでしょうか。
 【設例】 前年の12月に、1月分の家賃として75,000円を支払っていたため、この金額を前払費用として処理していた。
 【仕訳】     
地代 家賃   75,000  /  前払 費用   75,000
 【解説】1)あくまで費用を翌年に繰り延べを行う科目なので、その用が済んだら、翌期首(個人の場合は1月1日)付けで
      消去する仕訳を行う。
      この仕訳のことを、『再振替仕訳』と呼ばれる。
 【注意】1)再振替仕訳を行うのは、何も家賃に限らない。
      全部で4種類の科目がある。
       前払費用 既に支払った費用の繰り延べ
             例:上記に既出
       未払費用 未だ支払っていない費用の見越し
             例:12月分の電話代を、翌月に支払っている
               
通 信 費  ×× / 未払 費用  ××
       前受収益 既に受けた収益の繰り延べ
             例:1月分の貸家の家賃を、12月に受け取っている
               
受取 家賃  ×× / 前受 収益  ××
       未収収益 未だ受けていない収益の見越し
             例:12月分の利息の受取日は、1月31日となっている。
               
未収 収益  ×× / 受取 利息  ××
     2)前払金・未払金・前受金・未収金とは性格が違うので、混同しないように注意する。

 

 

 

★ 財務活動

01 手形を割引いた

 
受け取っていた手形の満期はまだまだ先なのですが、お金が必要になりました…。
 そこで、取引銀行へ手形を持っていって、割引してくれないか交渉してみました。

 【設例】 500,000円の手形を銀行で割り引いてもらい、割引料20,000円、収入印紙代200円を差し引かれて、普通預金に入金
      があった。
 【仕訳】     
普通 預金  479,800  /  割引 手形  500,000
          割 引 料   20,000
          租税 公課    200
 【解説】1)この仕訳は、評価勘定(こんな言葉は知らなくて良い)を用いた例。
      この方法が、一番一般的と思われる仕訳例。
     2)割引時には満額(この場合500,000円)が入金され、割引料・印紙代は、後日引き落とされる例もある。
      そんな時は…
      割引時 
普通 預金  500,000  /  割引 手形  500,000
      引落時 
割 引 料   20,000  /  普通 預金   20,200
          
租税 公課    200
     3)手形が満期を迎えたときは、次の仕訳が必要となる。
          
割引 手形  500,000  /  受取 手形  500,000
 【注意】1)この他にも、次のような仕訳をする場合もある
      これは、対照勘定を用いた例(これも知らなくて良い)。
      決算時には対照勘定を相殺して消してしまい、残高を割引手形勘定に振り返ることになるので、結局は評価勘定と
      同じ事になる。
      しかも、科目の数が増えるので面倒(だと思う)。
      詳しくは、簿記のテキストを。
          
普通 預金  479,800  /  受取 手形  500,000
          割 引 料   20,000
          租税 公課    200
          手形割引義務 500,000     手形割引義務 500,000
          見返
     2)手形が満期を迎えたときは、次の仕訳が必要となる。
          
手形割引義務 500,000  /  手形割引義務 500,000
                          見返

 

 

02 手形を裏書きした

 
受け取っていた手形の満期はまだまだ来ないのに、お金が必要になった…。
 取引銀行で割り引いてもらうと、割引料が要るし…。

 それなら、支払先に交渉して、この手形を支払先に廻すことを検討してみましょう。
 【設例】 400,000円の手形を、買掛金の支払に充てた。
 【仕訳】     
買 掛 金  400,000  /  裏書 手形  400,000
 【解説】1)この仕訳は、評価勘定(こんな言葉は知らなくて良い)を用いた例。
      この方法が、一番一般的と思われる仕訳例。
     2)手形が満期を迎えたときは、次の仕訳が必要となる。
          
裏書 手形  400,000  /  受取 手形  400,000
 【注意】1)この他にも、次のような仕訳をする場合もある
      これは、対照勘定を用いた例(これも知らなくて良い)。
      決算時には対照勘定を相殺して消してしまい、残高を裏書手形勘定に振り返ることになるので、結局は評価勘定と
      同じ事になる。
      しかも、科目の数が増えるので面倒(だと思う)。
      詳しくは、簿記のテキストを。
          
買 掛 金  400,000  /  受取 手形  400,000
          手形裏書義務 400,000     手形裏書義務 400,000
          見返
     2)手形が満期を迎えたときは、次の仕訳が必要となる。
          
手形裏書義務 400,000  /  手形裏書義務 400,000
                          見返

 

 

03 借金の月々の返済

 
銀行から借り入れた資金は、据え置き期間(あればですが)を経過したら、当然返済しなければなりません。
 一般的には、60回とか、120回払いとか、月々返済していくケースが多いでしょう。

 
これらの返済金額は、銀行から『返済計画書』という形で受け取っていることと思います。
 これに基づいて仕訳をします。

 【設例】 普通預金から、銀行へ借入金の返済額が引き落とされた。
      返済計画書によると、今回の返済額は次の通りである。
        元金  123,000円
        利息   7,500円
        合計  130,500円
 【仕訳】     
長期借入金  123,000  /  普通 預金  130,500
          
支払 利息   7,500
 【解説】1)引き落とされた金額の中には、内訳として必ず元金と利息が含まれている。
      これをキチンと区別しなければならない。
 【注意】1)返済方法には、元金均等型と、元利均等型がある。
      元金均等型の場合、元金は毎月一定なので、元金と利息の合計である毎月の返済額は、月々減少していくことになる。
      元利均等型の場合、支払金額が毎月一定のため、内訳である元金は月々増えていき、利息は月々減少していく。
     2)元金均等型の方が元金を早く返すことができるので、利息総額は少なくて済む。
      もっとも、返済当初は、返済額が大きくなるが。

 

 

04 借金の一括返済

 銀行から借りた資金を、一括返済してしまうことができれば、月々の支払に頭を悩ませることもなくなります。
 資金に余裕があれば、返済してしまうことも考えてみましょう。

 【設例】 銀行から借り入れていた借入金残高2,400,000円を、一括して返済することにした。
      返済する資金は、宝くじに当たった当選金を充てることにした。ヾ(^^;)
      銀行と交渉した結果、日割り計算した利息8,800円を払うようにとのことだった。
      その日の内に、現金を持参して支払いを済ませた。
 【仕訳】
     長期借入金 2,400,000  /  現   金 2,408,800
          
支払 利息   8,800
 【解説】1)前回の返済の日から、一括返済の日までの利息を払うことになる。
     2)普通はやはり、預金を通して返済すると思う。
 【注意】1)銀行との取引継続の観点からは、少しは返済を残しておく方がいいかも。
      将来資金が必要になった際、借りやすいかも知れない。

 

 

05 自動車の購入

 要らないと思っていた自動車ですが、どうしても必要になってきました。
 やっぱり新車を購入して…という訳にもいかないので、中古で我慢しました。(;_;)
 【設例】 中古自動車を、300,000円で購入した。
      その際、自動車税25,000円、自賠責30,000円、重量税40,000円も現金で同時に支払った。
 【仕訳】     
車輌運搬具  395,000  /  現   金  395,000
 【解説】1)取得に要した付随費用などは、取得価額に算入することになる。
 【注意】

 

 

06 パソコンの購入

 今の時代、FAXは無くとも、パソコンの一台でもなければ仕事にもなりません。
 秋葉原を歩き回って、やっと安くて性能の良いパソコンを見つけました。\(^^)ノ
 【設例】 業務用に、187,000円のパソコンを購入して、その場で現金で支払った。
      送料1,000円も、同時に支払った。
 【仕訳】     
器具 備品  188,000  /  現   金  188,000
 【解説】1)取得価額が100,000円〜199,999円の減価償却資産は、通常の減価償却資産としてではなく一括償却資産として、
      3年間で均等償却をすることができる。
     2)送料は取得価額に加算(取得に要した費用であるため)する。
 【注意】1)コンピュータなどの即時償却は、平成13年03月31日までに取得したものに限られます。
     2)取得価額の計算は、税込経理をしている場合は税込みの金額で、税別経理をしている場合は税別の金額で、
      それぞれ判定する。
     3)ただし、勘定科目は『器具備品』を使用しても、『一括償却資産』を使用してもかまわない。


 どうせなら、『今一番高性能なパソコンがいい』と、かなり高価なパソコンを買った場合はどうでしょうか?
 【設例】 業務用に、540,000円のパソコンを購入して、3回の分割払いで支払うことにした。
      初回分の分割金180,000円と送料2,000円を、その場で支払ってきた。
 【仕訳】     
器具 備品  542,000  /  未 払 金  360,000
          
                現   金  182,000
 【解説】1)総額を器具備品として計上する。
 【注意】1)2回目・3回目の分割金(各180,000円)を現金で支払ったときの仕訳は次の通り。
          
未 払 金  180,000  /  現   金  180,000
     2)取得価額の計算は、税込経理をしている場合は税込みの金額で、税別経理をしている場合は税別の金額で、
      それぞれ判定する。

 

 

07 事務所の賃貸

 いよいよ、一国一城の主になる瞬間(?)がやってきました。(^^)
 自社ビルを建てるのはもっと先の話として、とりあえず砦となる賃貸事務所を借りましょう。

 【設例】 事務所の賃借契約を結び、敷金500,000円、翌月の家賃80,000円を現金で支払った。
 【仕訳】     
敷   金  500,000  /  現   金  580,000
          
地代 家賃   80,000
 【解説】1)通常、家賃は翌月の分を支払うことになっている。
      従って、支払月で必要経費に計上していると、決算時に次の仕訳が必要になる。
          
前払 費用   80,000  /  地代 家賃   80,000
 【注意】1)先の保証料の問題と一緒である。
     2)ただし、家賃については毎月定期的に発生するものであるから、継続する事を条件に繰り延べの処理をしなくても
      差し支えない。
      利益調整を目的に、たびたび変更するようなことをしてはいけないのは、当然であるが。

 

 

08 備品のリース

 事務所に入ったら、次は事務用品を購入しなければなりませんね。
 とは言うものの、購入すると一時に資金が必要となるので、ここはリースにしました。
 【設例】 多機能FAXのリース契約を結び、月々10,000円で賃借りした。
      賃借料は、毎月普通預金から引き落とすことにしている。
 【仕訳】     
賃 借 料   10,000  /  普通 預金   10,000
 【解説】1)ごく一般的な通常のリースなら、支払時に必要経費として構わない。
 【注意】1)売買とみなされるリースもあるので、注意が必要。

 

 

09 パソコンを売った

 
新型のパソコンを買ったら、古いパソコンが邪魔になってきました。
 廃棄すると多少とも手数料がいるし、第一環境によろしくない。
 ここは一丁リサイクルに…と、リサイクルショップに売ることにしました。

 【設例】 リサイクルショップに古いパソコンを持ち込んで、20,000円で売却した。
      安いものだったため、購入時に全額必要経費としている。
 【仕訳】     
現   金   20,000  /  事業 主借   20,000
 【解説】1)本業以外の収入は、原則として雑収入として処理する。
      ただし譲渡による損益については、所得税において別途譲渡所得という区分があるので、
      事業所得では収益の認識は不要となる。
      申告の際に、事業所得とは別に譲渡所得として20,000円を申告することになる。
 【注意】1)法人の場合、所得に区別はないので、次の仕訳でよい。
          
現   金   20,000  /  雑 収 入   20,000


 
多少とも高価なパソコンで、もし、購入時に減価償却資産として資産計上しており、残存価額があるときはどうでしょうか?
 【設例】 リサイクルショップに古いパソコンを持ち込んで、50,000円で売却した。
      前年まで減価償却をしており、前年末の未償却残高は85,000円である。
      また、当年初から売却日までの減価償却費は、2,500円である。
 【仕訳】     
現   金   50,000  /  器具 備品   85,000
          
減価償却費   2,500
          事業 主貸   32,500
 【解説】1)入金額と、未償却残高の差額は通常は売却損となる。
      ただし譲渡による損益については、所得税において別途譲渡所得という区分があるので、
      事業所得では損失の認識は不要となる。
      申告の際に、事業所得とは別に譲渡損失として32,500円を申告することになる。
     2)もし入金額の方が多いと、売却益として次のような仕訳になる。
          
現   金   90,000  /  器具 備品   85,000
          減価償却費   2,500     事業 主借   7,500
      この場合も、申告の際に、事業所得とは別に譲渡所得として7,500円を申告することになる。
 【注意】1)法人の場合、所得に区別はないので、次の仕訳でよい。
          
現   金   50,000  /  器具 備品   85,000
          減価償却費   7,500
          資産売却損   32,500
     2)もし入金額の方が多いと、売却益として次のような仕訳になります。
          
現   金   90,000  /  器具 備品   85,000
          減価償却費   2,500     資産売却益   7,500

 

 

10 パソコンを捨てた

 リサイクル品として売却しようと、パソコンをリサイクルショップに持ち込んだが、あまりにも型が古すぎて引き取って
 くれませんでした。
 やむなく、処分することにしました。

 【設例】 自治体の処理施設にパソコンを持ち込んで、5,000円の手数料を支払って処分した。
      減価償却は既に完了しており、残存価額は50,000円である。
      また、当年初から売却日までの減価償却費は、2,500円である。
 【仕訳】     
資産除却損   47,500  /  器具 備品   50,000
          
支払手数料   5,000     現   金   5,000
          
減価償却費   2,500
 【解説】1)処分に要した費用は、全額必要経費となる。
     2)資産を廃棄した場合は譲渡とはならないので、事業所得の損失として構わない。
      そのため、この仕訳は法人も共通。
 【注意】1)もし、取得時に全額必要経費としているパソコンの場合は、残存価額の処理は必要ないため、次の仕訳だけでよい。
          
支払手数料   5,000  /  現   金   5,000

 

 

11 手形が満期に…

 受け取っていた手形が、満期を迎えます。
 手形はあらかじめ銀行に預けておくと、紛失などの事故を防ぐことができますね。

 【設例】 受け取っていた500,000円の手形が満期を迎え、普通預金に満額の入金があった。
 【仕訳】     
普通 預金  500,000  /  受取 手形  500,000
 【解説】
 【注意】

 

 

12 手形が不渡りに…

 受け取っていた手形が不渡りとなり、銀行から付箋を貼られた手形が戻ってきました。
 あてにしていたのになぁ…、ふぅ。(;_;)
 【設例】 受け取っていた100,000円の手形が不渡りとなり、銀行から手形が戻された。
      その際、手数料を1000円を支払った。
 【仕訳】     
不渡 手形  101,000  /  受取 手形  500,000
          
                現   金   1,000
 【解説】1)不渡りに関して生じた経費も、相手に求償できるので、不渡り手形に含めて処理しておく。
 【注意】1)この段階では、まだ貸倒損失として処理はできないので、注意。

 

 

 

★ 売上

01 売上があった

 店頭に置いてあった商品が売れました。
 【設例】 売れるかと思って仕入ていた変わったセーター、15,000円の値札を付けておいたんですけど、何と売れちゃいました。
 【仕訳】     
現   金   15,000  /  売   上   15,000
 【解説】1)現金売上の典型的なパターン。
     2)店頭で小売をしている商売では、こういう例が通常。
 【注意】1)客数が多い場合、設例のように個々には書いていけないので、当日分の売上金額を記入するようにする。
     2)また、レジなどでその日の売上集計を、後日でも確認することができるようにしておく。
      そのためにも、レジシートの控えは、大切に保管しておくこと。

 

 

02 売掛金になるの?

 作成した製品を納入し、一連の仕事が完了しました。
 【設例】 ソフトウェアを納入し、400,000円の代金の請求書を渡しました。
      代金は、後日振り込まれることになっています。
 【仕訳】     
売 掛 金  400,000  /  売   上  400,000
 【解説】1)その場で受け取るのではなく、後日受け取るときは売掛金となる。
 【注意】1)振り込まれたら、領収書の発行は忘れずに。

 

 

03 代金を入金した

 
売掛金となっていた代金が振り込まれた。
 【設例】 過日納入してあった製品の代金400,000円が、普通預金に振り込まれてきた。
      ただし、振込手数料420円が差し引かれてました。
 【仕訳】     
普通 預金  399,580  /  売 掛 金  400,000
          
支払手数料    420
 【解説】1)商取引では、振込料が差し引かれてくるのはごく一般的なこと。
 【注意】1)得意先に対して発行する領収書の金額は、振込料を差し引く前の金額(この場合400,000円)でよい。

 

 

04 受取手形って?

 いよいよ売上代金の回収!
 だけど…、手形で払いたいとの申し出が。
 【設例】 過日納入してあった製品の代金400,000円について、手形で支払っても構わないかとの申し出がありました。
      今後の取引のことを考えると、拒否するのも気が引けるので、手形での支払に応じました。
 【仕訳】     
受取 手形  400,000  /  売 掛 金  400,000
 【解説】
 【注意】

 

 

05 値引に応じた

 納品中、わずかな不具合が発見されました。
 納品先は、『支障は無いので、このままで良い』と言ってくれていますが、若干の値引きをすることにしました。
 【設例】 納入した製品の代金500,000円について、40,000円の値引きをすることにした。
 【仕訳】     
売 掛 金  460,000  /  売   上  500,000
          
売   上   40,000
 【解説】1)総額主義の原則から、
          
売 掛 金  460,000  /  売   上  460,000
      という仕訳はしない方がよい。
 【注意】1)設例では、値引きについて『売上』を用いてるが、『売上値引』『売上返品値引』などを用いても構わない。

 

 

06 返品された

 納品した製品のうち、一部が破損していたため、返品されてきました。
 これはもちろん、返金しなければなりませんね。
 【設例】 納入した製品の代金200,000円のうち、50,000円について返品された。
 【仕訳】     
売 掛 金  150,000  /  売   上  200,000
          
売   上   50,000
 【解説】1)これも値引同様、総額主義の原則から、
          
売 掛 金  150,000  /  売   上  150,000
      という仕訳はしない方がよい。
 【注意】1)設例では、返品について『売上』を用いてるが、『売上返品値引』などを用いても構わない。
      なお、『売上返品』は、あまり見かけない。
      個別に『売上返品』勘定をたてなければならないほど、返品が多いのならともかく。(^^;)

 

 

07 源泉税を引かれた

 イラストを描く仕事をしてますが、いつも請求額より少ない金額しか振り込まれてきません。
 なぜなんでしょうか?
 【設例】 かねてより請求してあったイラストの対価100,000円について、先日入金がありました。
      ところが、普通預金には90,000円しか振り込まれてきません。
      そこで問い合わせると、『源泉税を10%引いてます』とのことでした。
 【仕訳】     
普通 預金   90,000  /  売 掛 金  100,000
          
源泉所得税   10,000
 【解説】1)イラストのみならず、写真撮影や原稿料なども源泉税は徴収される。
     2)申告の際に差し引けるので、決して損をしているわけではない。
      その間の利息云々を言わなければ、だが。
 【注意】1)設例では『源泉所得税』を用いたが、『事業主貸』を使用しても良い。
      この『源泉所得税』を用いる方が、徴収された源泉税額を把握することができるので、私ならこちらの使用を勧める。
      ただし、その年分の所得税を納付した日(通常、翌年3月15日までですね)に、次の仕訳により、『源泉所得税』を
      精算する必要がある。
          事業 主貸   10,000  /  源泉所得税   10,000

 

 

08 自家消費した

 売り物を家族に食べられてしまった。
 【設例】 商品として仕入れた食品(超高級カニ缶)を、子供が勝手に開けてしまいました。ヘ(__ヘ)☆\(ーー;)
      仕方ないので、家族で食べてしまいましたが…、さすがに美味しかったですぅ。
      ちなみに仕入値は9,000円、売値は12,000円です。
 【仕訳】     
事業 主貸   9,000  /  売   上   9,000
 【解説】1)仕入値で売上に計上しておけば問題はない。
 【注意】1)でも、その仕入値が、その売値の70%未満になってしまうと、本来の売値で計上しなければならないとされている。
      たとえば… 仕入値は9,000円、売値は15,000円の場合。
          事業 主貸   15,000  /  売   上   15,000
     2)所得税法で『家事消費は売上である』とされている以上、次の仕訳ではマズイことになる。
      所得金額に、何の変わりはないのだが。
          事業 主貸   15,000  /  仕   入   15,000

 

 

 

★ 仕入

01 仕入れた

 製品を作成するのに必要な材料を、現金で仕入れてきました。
 【設例】 材料200,000円を仕入れて、代金は現金にてその場で支払ってきた。
 【仕訳】     
仕   入  200,000  /  現   金  200,000
 【解説】1)現金仕入の典型的なパターン。
 【注意】1)新規仕入先の場合、特に金額が大きいときは、初めの数回は現金支払いで求められるのが通例。
      その後、掛け取り引きが開始することになろう。

 

 

02 買掛金になるの?

 
製品を作成するのに必要な材料を仕入れてきました。
 【設例】 材料300,000円を仕入てきた。
      請求書は、後日郵送されてきた。
 【仕訳】     
仕   入  300,000  /  買 掛 金  300,000
 【解説】1)その場で支払うのではなく、後日支払うときは買掛金となる。
 【注意】 

 

 

03 代金を支払った

 買掛金となっていた、前月に仕入れた仕入代金を振り込みました。
 【設例】 過日仕入れていた材料の代金250,000円を、銀行の窓口より振り込んだ。
      なお、振込料は420円だったので、振込料を差し引いて支払うことにした。
      代金・振込料は、ともに現金で支払った。
 【仕訳】     
買 掛 金  250,000  /  現   金  250,000
 【解説】1)商取引では、振込料が差し引くのはごく一般的。
 【注意】1)もし、この420円の振込料を当方負担とする約束があった場合の仕訳は、次の通り。
          
買 掛 金  250,000  /  現   金  250,420
          支払手数料    420

 

 

04 支払手形って?

 支払期日が来ましたが、資金繰りがちょいと苦しい…。
 そこで、手形で支払いたいと申し出たところ、承諾してくれました。
 【設例】 過日仕入れてあった材料の代金200,000円の支払について、手形でもかまわないかとの申し出たところ、
      手形での支払に応じてくれた。
      さっそく手形を作成し、支払うために持参した。
 【仕訳】     
買 掛 金  200,000  /  支払 手形  200,000
 【解説】
 【注意】

 

 

05 値引に応じてくれた

 納入された材料について検品していたところ、わずかな不具合が発見されました。
 相手先から、若干の値引きをすると伝えてきました。
 【設例】 納入されていた材料の代金300,000円について、30,000円の値引きを受けることになった。
 【仕訳】     
仕   入  300,000  /  買 掛 金  270,000
                         
仕   入   30,000
 【解説】1)総額主義の原則から、
          
仕   入  270,000  /  買 掛 金  270,000
      という仕訳はしない方がよい。
 【注意】1)設例では、値引きについて『仕入』を用いてるが、『仕入値引』『仕入返品値引』などを用いても構わない。

 

 

06 返品した

 納品された材料のうち、一部が破損していたため、返品した。
 これはもちろん、支払金額を減額しなければなりませんね。
 【設例】 納入された材料の代金100,000円のうち、20,000円について返品した。
 【仕訳】     
仕   入  100,000  /  買 掛 金   80,000
          
                仕   入   20,000
 【解説】1)これも値引同様、総額主義の原則から、
          
仕   入   80,000  /  買 掛 金   80,000
      という仕訳はしない方がよい。
 【注意】1)設例では、返品について『仕入』を用いてるが、『仕入返品値引』などを用いても構わない。

 

 

07 小切手を郵送した

 買掛金を支払うために、小切手を郵送しました。
 こういう場合の取扱いは、もちろん簡易書留又は配達記録付き郵便で、ですよね。
 【設例】 500,000円の買掛金を支払うため、小切手を切って郵送しました。
      郵送した小切手は、500,000円。
      簡易書留代は500円で、これは当方負担として現金で支払いました。
 【仕訳】     
買 掛 金  500,000  /  当座 預金  500,000
          
通 信 費    500     現   金    500
 【解説】1)もし、簡易書留代を現金で払わず、手持ちの切手を貼って行った場合はどうなるでしょうか。
          
買 掛 金  500,000  /  当座 預金  500,000
      切手は既に、通信費として処理しているはずだから、改めて通信費とする処理は不要となる。
 【注意】1)んじゃ、もし設例について、簡易書留代を買掛金から差し引いていたら(相手負担)どうなるか。
          
買 掛 金  500,000  /  当座 預金  499,500
          
             /  現   金    500
     2)更に、上記2)の簡易書留代について、手持ちの切手を貼って行ったらどうなるか。
          
買 掛 金  500,000  /  当座 預金  499,500
          
             /  通 信 費    500

 

 

08 商品を廃棄した

 仕入れてあった菓子パンを廃棄しました。
 【設例】 仕入れてあった菓子パン20個の賞味期限が来てしまいました。
      もったいないですが、廃棄処分することにしました。
      仕入値は1,860円でした。
 【仕訳】     
雑 損 失   1,860  /  仕   入   1,860
 【解説】1)雑損失に振り替えず、仕入のままで置いておくと、売上総利益率が低く算定されてしまう。
      正確な実態を算定するためには、廃棄損失は雑損失に振り替え処理する。
 【注意】1)設例では、廃棄について『雑損失』を用いてるが、『廃棄損』などを用いても構わない。

 

 

 

★ 必要経費

01 給料を支払った

 明日は給料日。
 銀行からお金を引き出してきて、給料を支払う準備をしておきました。
 【設例】 社員の給料日となったので、給料を現金にて支払った。
      支払の明細は次の通り。
               社員A   社員B   専従者   合 計
         給  料  150,000   180,000   250,000   580,000
         社会保険  14,800   16,700      -   53,000
         雇用保険    720     760      -    1,480
         源 泉 税   2,020    3,660    8,760   14,440
         住 民 税   4,100    5,300    7,700   17,100
         通勤手当  42,000   10,500   18,800   71,300
         差引金額  170,360   164,080   230,840   565,280

 【仕訳】     
給料 手当  330,000  /  現   金  565,280
          専従者給与  250,000  /  預 り 金   53,000
          旅費交通費   71,300  /  預 り 金   1,480
                       /  預 り 金   14,440
                       /  預 り 金   17,100
 【解説】1)事業専従者は通常社会保険には加入できない。
      また、法人の役員や、事業専従者は通常雇用保険には加入できない。
     2)通勤費は、『旅費交通費』でも『福利厚生費』でも、どちらを使用しても良い。
     3)法人の役員の場合、『専従者給与』を『役員報酬』に変えるだけでよい。
 【注意】1)給料計算の詳細について書き出すと、本一冊になってしまうくらい、なかなか奥が深い。
      詳しくは、書籍等を見ていただくか、
SOHOの支援をご利用いただきたい。
     2)ただし、一点だけ。
      通常の通勤費は、所得税の非課税となるので、源泉税を算出する際には加味しないで計算する。
      しかし社会保険・雇用保険を計算するときは、通勤費も加味して行うことに注意。
     3)
簡単給与30人を利用していただければ、計算自体はいとも簡単にできる。
     4)必要経費となる専従者給与の額は、適正かつ妥当なものに限られる。
      法人の役員報酬の額についても同様のことが言える。

 

 

02 得意先を接待した

 お得意さんを接待するため、高級料亭に連れて行きました。
 【設例】料亭の料金の102,000円、お土産代の5,000円、タクシー代の2,280円は、現金で支払った。
 【仕訳】     
交際接待費  109,280  /  普通 預金  109,280
 【解説】1)接待に要した費用は、交際接待費となる。
     2)タクシー代も、接待に使ったのだから、旅費交通費ではなく交際接待費とする。
 【注意】1)法人の場合、交際費の損金不算入額の限度額計算がある。
      従って、別表4での申告調整(加算)が必要となる。

 

 

03 社会保険料の引落し

 社会保険料が、通帳より引き落とされました。
 【設例】 社会保険料108,530円(会社負担分55,530円・本人負担分53,000円の合計額)が、通帳より引き落とされた。
 【仕訳】     
預 り 金   53,000  /  普通 預金  108,530
          法定福利費   55,530
 【解説】1)社会保険料の会社負担分は、法定福利費として処理する。
      社会保険料の本人負担分は、給料支払い時に預かっていたのであるから、預り金で処理する。
 【注意】1)社会保険料の会社負担分は、児童拠出金があるためちょうど半分にはならない。

 

 

04 電話代の引落し

 電話代が引き落とされました。
 【設例】 電話代5,680円が、普通預金口座から引き落とされた。
 【仕訳】     
通 信 費   5,680  /  普通 預金   5,680
 【解説】1)NTTなどでは、物品の購入をした場合など、その代金が引き落とし額に含まれることがある。
      この場合、全額を通信費としてはならないので注意。
      例えば、電話代8,600円、購入した電話機が64,000円、合計額72,600円が引き落とされた場合。
          
通 信 費   8,600  /  普通 預金   72,600
          消耗 品費   64,000  /  
 【注意】1)電話会社から送られてくる請求書などもキチンと保存しておくこと。
     2)消耗品費だとしても必要経費となるから、税額計算上は問題ないが、もし10万円以上の物品が混入して
      いると一括償却資産あるいは器具備品として処理しなければならないため、注意が必要である。

 

 

05 ハイカを買った

 
近くのコンビニで、ハイウェイカードを購入しました。
 【設例】 コンビニで、10,000円のハイウェイカードを購入した。
 【仕訳】     
車輌維持費   10,000  /  現   金   10,000
 【解説】1)ハイウェイカードに限らず、テレホンカード・オレンジカードなども同様に処理する。
          
通 信 費   1,000  /  現   金   1,000  (テレホンカード)
          
旅費交通費   1,000  /  現   金   1,000  (オレンジカード)
 【注意】1)使用時に使用した金額だけ必要経費になるのが原則。
      が、購入時に必要経費としてもかまわない。
     2)ハイウェイカードの場合、車輌維持費ではなく旅費交通費を使用しても良い。
     3)また、チケットショップで安く購入したときでも、処理は同じ。
      チケットショップで、10,000円のハイウェイカードを9,800円で購入した。
          
旅費交通費   9,800  /  現   金   9,800

 

 

06 文房具を買った

 近くのホームセンターで、事務用品購入した。
 【設例】 ホームセンターでファイルなどを一括購入し、106,000円支払った。
 【仕訳】     
消耗 品費  106,000  /  現   金  106,000
 【解説】1)事務用品の購入は、消耗品費(又は事務用品費)を使用する。
 【注意】1)一台・一組で100,000円を超えるものは、減価償却資産として処理しなければならない。
      が、ファイルなどは即必要経費として処理する。
     2)ただし年末に、あまりにも大量(通常1年で使用する量を超える量)に残っていれば、棚卸を
      しなければならないだろう。

 

 

07 広告を出した

 改装オープンをするので、広告をしなきゃ…。
 【設例】 新聞に折り込みチラシを入れることにした。
      チラシは近所の印刷屋で作ってもらった。
      チラシ代は20,000円、新聞配達店には30,000円支払った。
 【仕訳】     
広告宣伝費   50,000  /  現   金   50,000
 【解説】1)広告に要した費用は、すべて広告宣伝費を使用する。
 【注意】1)求人広告に要した費用も、広告宣伝費で処理してよい。

 

 

08 水道代の引落し

 水道代が引き落とされた。
 【設例】 店舗兼住宅で使用している水道代25,000円が、当座預金から引き落とされた。
      事業用・自家用は、それぞれ60%・40%である。
 【仕訳】     
水道光熱費   15,000  /  当座 預金   25,000
          事業 主貸   10,000
 【解説】1)自家用部分については、事業主貸として按分して処理する。
     2)処理方法としては、その支払の都度按分する方法と、年末に一括して按分する方法がある。
      これは、どちらでも良い。
      ただし、同一勘定科目の中に按分割合の異なるものが含まれているときは、一括して按分することはできないので、
      その都度按分しておく方が決算時の面倒は少ない。
     3)例えば、次のような例。
        事業用の電話代1年分    :245,587円
        事業と家事兼用の電話代1年分:332,780円
      もし、毎月按分していないと、年末になってからそれぞれを集計しなければならない。
 【注意】1)事業部分と家事部分については、何らかの明確な方法で区分する。
      この場合、誰しもが、『なるほど』と思える方法で按分すること。
      『自宅ではミネラルウォーターしか使っていないから、水道代は全額必要経費だ!』などと言ったところで、
      普通は通用しない。
      立証するだけの証拠があれば別だろうが。
     2)法人の場合、自家用部分は法人では支払ってはならない。
      法人が支払って良いのは、あくまで法人が使用した部分のみである点に注意。
      上記の例でいくと…
          
水道光熱費   15,000  /  現   金   15,000
      となり、この15,000円のみを、引き落とし口座を持っている個人に支払うことになる。
      引き落としの明細と、個人が出した領収書も保存しておくこと。
     3)もし万一、法人が役員の自家用部分をも法人の負担として支払ったとすると、その自家用部分は、その個人に対する
      給料となるので注意が必要。
      その個人が役員の場合、給料は賞与となって、法人の損金とはならない可能性もある。

 

 

09 ガソリンを入れた

 ガソリンが無くなってきたので、ガソリンスタンドに寄ってガソリンを入れた。
 ここのガソリンスタンド、セルフサービスだから他より少ぉし安いんだ…。(^_^)
 【設例】 事業に使用している乗用車に、ガソリンを入れて、4,000円を支払った。
 【仕訳】
     車輌維持費   4,000  /  現   金   4,000
 【解説】1) 08 水道代の引き落としを参照
 【注意】1) 08 水道代の引き落としを参照

 

 

10 車検に出した

 車検が切れるとのハガキが来たので、乗用車を車検に出しました。
 【設例】 事業に使用している乗用車を車検に出した。
      自賠責が10,000円、車検代が40,000円、修理費が20,000円、合計70,000円だった。
 【仕訳】     
車輌維持費   70,000  /  現   金   70,000
 【解説】1)個々に科目を分けてもいいが、分けるほどのことは無いのではないかと考える。
      もし、分けるとすれば…
          
保 険 料   10,000  /  現   金   70,000
          車輌維持費   60,000
 【注意】 

 

 

11 ルーターを買った
 ADSLにして、とうとう常時接続の環境になった。
 しかも無線LAN対応のルーターを買ったから、邪魔な配線無しでネットに接続。
 いやぁ〜、快適快適。(^_^)
 今の時代、ネットに接続できなきゃ、仕事にもならないもんね。
 【設例】 無線ルーターと周辺部品を購入し、107,000円支払った。
 【仕訳】     
器具 備品  107,000  /  現   金  107,000
 【解説】1)100,000円〜199,999円(税込み価額)の減価償却資産については、一括償却資産として、3年間で均等償却する
      ことができる。
 【注意】1)一括償却するのは何も器具備品のみならず、バイクや機械装置などでも、この金額のものについては一括償却資産
      として処理することができる。

 

 

12 労働保険の納付

 雇っている従業員の労働保険料を、支払う期日が近づいてきた。
 そう言えば、申告書を送ってきていたなぁ…。
 【設例】 従業員の労働保険料を納付した。
      内訳は次の通りである。
                  前年分の確定額   当年分の概算額
          計算の対象  前年4月〜当年3月  当年4月〜翌年3月
          雇用保険料       22,510       22,510
          労災保険料       10,230       10,230
          労働保険計       32,740       32,740
      なお、前年4月〜当年3月までの間に、給料から差し引いた従業員から雇用保険の預り金は、14,800円となっている。
      また、前年において労働保険料の申告をした際に、前年4月〜当年3月の確定分に係る申告済み概算額として、
      30,500円を納付している。
      従って、今回の支払総額は…
         32,740円+32,740円−30,500円=34,980円
      となり、申告書の提出と同時に現金で納付した。
 【仕訳】
     預 り 金   14,800  /  現   金   34,980
          法定福利費   17,940     立 替 金   30,500
          立 替 金   32,740
 【解説】1)前年分確定額から、同一期間中に従業員の給料から預かった雇用保険料を差し引いた金額が、法定福利費となる。
     2)雇用保険料の概算額は、当年の必要経費とはならず、立替金として翌年に繰り越す処理をする。
      翌年において、その立替金は差し引き計算することができる。
 【注意】1)概算額が一定金額を超えると、その概算額については3回に分割しての納付が認められる制度がある。
      利息も不要なので、該当するときは是非利用したい。
      仮に、上記の設例で、分割納付が認められるとした場合の仕訳は次の通り。
      1回目 
預 り 金   14,800  /  現   金   13,154
          法定福利費   17,940     立 替 金   30,500
          立 替 金   10,914
      2回目 
立 替 金   10,913  /  現   金   10,913
      3回目 
立 替 金   10,913  /  現   金   10,913
     2)概算額を3で割ったときに生じた端数があれば、その端数は第1回目に含めて計算する。

 

 

13 所得税を支払った

 所得税の申告書を提出した。
 さて、所得税を納めなければならないのだが…。
 【設例】 所得税の申告書を提出し、その足で銀行に出向いて、所得税150,000円を納付した。
      普通預金から引き出して支払った。
 【仕訳】     
現   金  150,000  /  普通 預金  150,000
          事業 主貸  150,000  /  現   金  150,000
 【解説】1)所得税は必要経費とはならないので、租税公課は使用しないこと。
     2)他に、市町村民税・都道府県民税なども必要経費とはならない。
     3)預金から引き出した日と、納付した日が同じなら、あえて現金を引き出す処理をせずに、普通預金から
      直接支払ってしまっても構わない。
          
事業 主貸  150,000  /  普通 預金  150,000
 【注意】1)所得税には、預金からの振替納税という制度もある。
      引き落としの日は、通常4月中となる。
      この場合の仕訳は次の通り。
          
事業 主貸  150,000  /  普通 預金  150,000
      利息も不要なので、是非利用したい。

 

 

14 所得税の還付

 所得税の申告書を提出したが、徴収されていた源泉税が還付されることになった。
 やれやれ、助かった…。(^^;)
 【設例】 売上代金から源泉税を徴収して支払われてきているため、所得税額を差引計算をすると還付されることになった。
      還付金は、普通預金口座に振り込んでもらうことにしている。
      先日来た通知書には、次のように書かれていた。
        還付金額   224,500
        還付加算金   2,500
        還付合計額  227,000
 【仕訳】     
普通 預金  227,000  /  事業 主借  227,000
 【解説】1)還付される源泉税は、所得を構成しないので、事業主借を使用する。
     2)還付加算金は雑所得に該当し、事業所得には該当しないため、こちらについても事業主借を使用する。
 【注意】1)還付加算金は雑所得に該当するため、翌年の雑所得に加算して申告しなければならない。

 

 

15 事業税を支払った

 所得税の申告納付が済んだかと思ったら、今度は事業税を支払うようにと、納付書が送られてきた。
 【設例】 県から、封筒が届いた。
      何かと思って開けてみたら、事業税を払うようにと、納付書が入っていた。
      金額は48,500円、期日までに現金で支払った。
 【仕訳】     
租税 公課   48,500  /  現   金   48,500
 【解説】1)事業税は、所得税とは違って必要経費となる。
      そのため、租税公課を使用して処理する。
 【注意】1)不動産の賃貸などの場合、事業と呼べる規模に達していないと、事業税が課せられない。
      また、医師などの社会保険診療報酬については、事業税は課せられない。
      これらは事業ではないため、事業税は課せられないのである。

 

 

16 盗難にあった

 盗難に遭ってしまった…。(;_;)
 【設例】 事務所に泥棒が入り、金庫に入れてあった現金200,000円を全部盗られた。
      不幸中の幸い、それ以外のものは無事だった。
 【仕訳】     
雑 損 失  200,000  /  現   金  200,000
 【解説】1)事業用の金銭の盗難による損失は、必要経費となる。
     2)サッシをこじ開けられたりした場合、破損部分を現状に回復する費用も、必要経費となる。
 【注意】1)事業用の金銭以外の金銭の盗難による損失は、事業所得上は必要経費とはならない。
      この場合、所得税の雑損控除の適用があるので注意。
     2)関係はないが、詐欺の場合は雑損控除の適用はない。

 

 

17 貸倒にあった

 売掛金が残っていた得意先が倒産してしまった。
 【設例】 得意先が破産し、破産管財人から債権を届け出るように通知が来た。
      あ〜ぁ、まだ売掛金が300,000円残ってるのに。
      もちろん、300,000円の売掛金が残っている旨を届け出た。
 【仕訳】     仕訳不要
 【解説】1)相手が破産したという事実だけで、即、貸倒処理するという訳にはいかない。
 【注意】1)貸倒として必要経費として良いか否か、極めて微妙な内容を含むので、ご自身で調べてもらいたい。
     2)税務上、必要経費とすることができる貸倒が発生した、というのなら仕訳は次の通り。
          
貸倒 損失  300,000  /  売 掛 金  300,000

 

 

18 機械を修繕した

 機械が壊れてしまったので、修繕した。
 【設例】 まだまだ使えると思っていた機械が、先日突然故障してしまった。
      買い換えるのはもったいないので、修理して使うことにした。
      修理代は、270,000円で、小切手を振り出して支払った。
 【仕訳】     
修 繕 費  270,000  /  当座 預金  270,000
 【解説】1)その修理が、壊れた機械を現状に復旧させるためのものなら、金額のいかんに拘わらず、修繕費として
      処理してかまわない。
     2)ただ、その修理の際、この際ついでだからと、元々より高級な材料で修繕したり、高機能なものにしたりすると、
      資本的支出として減価償却の対象となる場合がある。
 【注意】1)200,000円未満の修繕費なら、全額を必要経費として構わない。

 

 

19 海外出張

 開発したソフトウェアを、売り込みのために、海外へ出張しました。
 【設例】 海外への売り込みのため、10日間の海外出張を行うことに決めました。
      ついでならと、日程の2日を観光に充てることにしました。
      せっかく行くんですもんね。(^^;)
      旅費の内訳は次の通りで、旅行会社へ現金で支払った。
        海外までの航空運賃      250,000円
        現地での宿泊料・移動費10日分 330,000円
        観光費・観光地への移動費    30,000円
 【仕訳】     
旅費交通費  514,000  /  当座 預金  610,000
          
事業 主貸   96,000
 【解説】1)当初から海外出張に行く予定があるので、それに合わせてついでに観光旅行をするような場合、
      往復の運賃は必要経費としてかまわない。
      だからと言って、10日の内、観光は9日なんてのは通用しないだろうが。
     2)観光に要した部分については、事業主貸として処理する。
      この設例での計算方法は…
         (330,000÷10日×2日)+30,000円=96,000円
 【注意】1)そもそも仕事に行くのであるから、必要経費となるのである。
      であるから、単なる海外旅行であるのに、“ついで”に仕事もしたなどという強引な理由付けをして
      必要経費に算入すると、後々もめることになるので、注意。(^^;)

 

 

20 研修会への出席

 進歩の早いIT関連業界、やはり研修会への出席は欠かせませんね。
 【設例】 ソフトウェア関連の研修会に、従業員と共に出席した。
      会費は一人20,000円、二人だったので40,000円でした。
 【仕訳】     
研 修 費   40,000  /  現   金   40,000
 【解説】 業務の遂行に直接必要な技能・知識を習得するための費用は、必要経費となる。
 【注意】 これを受けた従業員にも、経済的利益が課税されることはない。

 

 

21 付帯税を支払った

 延滞税・不納付加算税を納付しました。
 【設例】 源泉税の納付をつい忘れてしまっていたのに気が付き、慌てて納付しました。
      すると後日、延滞税・不納付加算税の納付書が送られてきました。
      さっそく、銀行へ持っていって納付しました。
      その内訳は、次の通りでした。
       延滞税     8,500円
       不納付加算税  24,500円
 【仕訳】     
事業 主貸   33,000  /  現   金   33,000
 【解説】1)延滞税・不納付加算金は、必要経費とはならないので、事業主貸で処理する。
     2)他に、無申告加算税・延滞金・過少申告加算税・重加算税なども必要経費とはならない。
     3)確定申告の所得税の延納に係る利子税は、必要経費とすることができる。
 【注意】1)法人の場合の仕訳は次の通り。
          
租税 公課   33,000  /  現   金   33,000
      この場合、損金にはならないので、別表4での申告調整(加算)が必要となる。

 

 

22 得意先の子弟が入学した

 得意先の子弟が、大学に入学しました。
 やっぱりお祝いは不可欠かなぁ…。

 【設例】 お得意先の息子さんが、希望していた大学に入学されました。
      ここは一つ、お祝いを張り込んでおく方が良いかな?
      と言うことで、20,000円の図書券を贈ることにし、本屋へ行って買ってきました。
 【仕訳】     
交際接待費   20,000  /  現   金   20,000
 【解説】1)こういうのは、典型的な交際費。
     2)他に、香典・見舞い・各種お祝いなどがある。
 【注意】1)法人の場合の仕訳も、個人と一緒でよい。
      先にも書いたが、交際費は別表4での申告調整(加算)が必要となる。

 

 

23 インスタントコーヒーを買った

 来客などに出すために、インスタントコーヒーを買いました。
 【設例】 おいでになったお客さんや、従業員のために、インスタントコーヒーなどを買ってきました。
      代金は、1,260円でした。
      もちろん、私も飲みますよ。(^^;)
 【仕訳】     
雑   費   1,260  /  現   金   1,260
 【解説】1)雑費のほか、福利厚生費などを使っても可。
 【注意】1)法人の場合も、同様の処理で構わない。
      交際費を使う必要はない。

 

 

24 喫茶店で打ち合わせをした

 喫茶店で、お得意さんと打ち合わせをした。
 【設例】 お得意さんを連れて喫茶店へ行き、打ち合わせを行いました。
      昼前だったので、簡単な食事も一緒に頼みました。
      代金は、二人分で1,840円でした。
 【仕訳】     
会 議 費   1,840  /  現   金   1,840
 【解説】1)少額の茶菓などは会議費で処理する。
      このような簡単なランチなども、同様の処理でよい。
 【注意】1)『いつ』『どこで』は、領収書を見ればわかる。
      が、『誰と』『何の打ち合わせをしたのか』は、後でも分かるように記録しておくこと。
      領収書の裏にでも記載しておけば良い。
     2)法人の場合も、同様の処理で構わない。
      交際費を使う必要はない。

 

 

25 商品を贈った

 商品である文具を、得意先に使っていただこうと、贈りました。
 【設例】 お得いさんに、当店の商品である文具を贈りました。
      仕入値は50,000円、売値は70,000円です。
 【仕訳】     
接待交際費   50,000  /  仕   入   50,000
 【解説】1)仕入から交際接待費に振り替え処理をする。
 【注意】1)法人の場合、交際費の限度計算が必要になる。

 

 

26 オンラインソフトを購入した

 使いやすそうなオンラインソフトを購入しました。
 【設例】 インターネットを見ていると、『簡単法人税内訳書』というシェアウェアをみつけました。
      もの凄ぉ〜く使いやすそうだったので、さっそく購入することにした。
      こんなにも使いやすいソフトが、わずかこの金額なんて… へ(__へ)☆\(ーー;)
      支払は、ベクターのシェアレジを通じて行いました。
      なお支払額は…、
         ソフト代金     2,000円
         消費税        100円
         レジ手数料      100円
         レジ手数料消費税    5円
         支払合計      2,205円 でした。
 【仕訳】     
消耗 品費   2,100  /  普通 預金   2,205
          支払手数料    105
 【解説】1)安価な物なので『ソフトウェア費』など、特別な科目を立てる必要はないだろう。
 【注意】1)もし、直接作者に送金した場合はどうなるのだろうか。
      上記の例で行くと、支払額は…
         ソフト代金     2,000円
         振込料         60円
         支払合計      2,060円 でした。
          
消耗 品費   2,000  /  現   金   2,060
          
支払手数料     60
     2)いずれにしても、手数料も込みで仕訳してしまっても問題はない。
          
消耗 品費   2,205  /  普通 預金   2,205
                      又は
          
消耗 品費   2,060  /  現   金   2,060

 

 

 

★ その他

01 源泉税を納付した

 源泉税を納付しました。
 【設例】 先月に支払った、給料の源泉税・司法書士報酬の源泉税を納付しました。
      内訳は次の通りで、現金で支払いました。
       給料の源泉税     65,000円
       司法書士報酬の源泉税 20,000円
 【仕訳】     
預 り 金   85,000  /  現   金   85,000
 【解説】1)通常、源泉税は、その源泉税を預かった月の翌月の10日までに納付する。
     2)従業員数が常時10人未満の場合、半年に1回の納付を選択することもできる。
      この場合においても、源泉税を毎月納付しても何ら問題はないので、万一の納付忘れがある可能性を
      考えるなら、納期限の特例の届けをしておく方がより良いと考える。
 【注意】1)源泉税の納付を忘れると、延滞税・不納付加算税などの付帯税を支払わなければならなくなるので、
      忘れることの無いように納付すること。
     2)納期限の特例を出しておくと、納期限は次のようになる。
        1月〜 6月までの源泉税 → 7月10日
        7月〜12月までの源泉税 → 1月10日(更に特例を出すと、1月20日)

 

 

02 法人の預金利息

 法人の預金に付いた利息は、受取利息にしなければならないと聞きました。
 この時に、注意しなければならない点について教えてください。

 【設例】 法人の普通預金通帳に、わずかながらも利息が付きました。
      金額は、金額は1,600円でした。
 【仕訳】     
普通 預金   1,600  /  受取 利息   2,000
          
租税 公課    400
 【解説】1)預金利息からは、合計20%の国税及び地方税が徴収されている。
      内訳は、源泉税(国税)が15%、利子割(都道府県民税)が5%である。
     2)個人名義の預金に対する利息は、源泉分離課税が採用されているため、利息が附された時点で課税関係は終了する。

     3)しかし法人名義の預金は、総合課税が採用されており、利息が附された時点では課税関係は終了しない。
      従って、個人の事業主借とは違い、受取利息として法人の収益としなければならないのである。
 【注意】1)法人の場合、総合課税になっているため、課税関係は未完了であると話した。
      だとしたら、支払っている源泉税・利子割はどうなるのだろうか?
     2)実は、これらの源泉税・利子割は、法人税や都道府県民税を納付する際に、差し引きしてもかまわないと
      されているのである。
      すなわち、法人税や都道府県民税の一部を前払いしている状態になっているのである。
     3)上記の設例を元に、もう少し具体的に言うと…
        ★ 法人税
          納付すべき額  … 10,000円
          上記の源泉税  …   300円  ← 2,000円×15%=300円
          差引納付額   …  9,700円
        ★ 都道府県民税
          納付すべき額  …  3,000円
          上記の利子割  …   100円  ← 2,000円× 5%=100円
          差引納付額   …  2,900円
     4)逆に、納付すべき税額が無いとすると、還付される。
        ★ 法人税
          納付すべき額  …    0円
          上記の源泉税  …   300円  ← 2,000円×15%=300円
          差引納付額   …  △300円  ← 還付される
        ★ 都道府県民税
          納付すべき額  …    0円
          上記の利子割  …   100円  ← 2,000円× 5%=100円
          差引納付額   …  △100円  ← 還付される

 

 

03 法人税を納付した

 法人の確定申告書を提出し、税金を納付しました。
 【設例】
 法人の確定申告書を提出し、それぞれの税額を銀行で納付しました。
      内訳は次の通り。
        法人税      478,500円 (損金不算入)
        都道府県民税    64,400円 (損金不算入)
        市区町村民税   117,800円 (損金不算入)
        事業税      224,800円 (損金算入)
        消費税      456,700円 (損金算入)
        合計金額    1,342,200円
 【仕訳】     
租税 公課 1,342,200  /  現   金 1,342,200
 【解説】1)これらの税額の納付があったときは、すべて租税公課を使用する。
     2)ただし、消費税以外の税額について『未納法人税等』を前期の決算において計上しているときは、次の通り。
          
未納法人税等 885,500  /  現   金 1,342,200
          
租税 公課  456,700
 【注意】1)設例での記載通り、全額を租税公課を使用して処理したときは、損金不算入である法人税等について、別表4で
      申告調整(加算)する必要がある。
     2)解説の2)の方法で処理した場合は、損金算入となる事業税について、別表4で申告調整(減算)する必要がある。
     3)消費税を、『未納法人税等』として計上することは、あまり無い。

 

 

04 法人税が還ってきた

 予定申告をしていた法人税が還ってきました。
 【設例】
 今年の法人税額はゼロだったので、予定申告をしていた法人税が還ってきました。
      内訳は次の通りで、普通預金口座へ振り込まれてきました。
         予定申告をした法人税額   336,000円
         還付加算金          1,500円
         合計振込金額        337,500円
 【仕訳】     
普通 預金  337,500  /  雑 収 入  337,500
 【解説】1)法人税の還付額・還付加算金は、ともに雑収入を使用して処理する。
 【注意】1)還付加算金は益金となる。
     2)ただし、還付された法人税は、納付時において損金とはしていないので、還付されたときも益金とはしない。
      従って、還付法人税は別表4での申告調整(減算)が必要となる。

 

 

 

★ 事業主勘定

 01 預金利息が付いた

 事業用の通帳に、利息が付きました。
 【設例】 事業用の普通預金通帳に、わずかながらも利息が付きました。
      喫茶店でコーヒーは無理でも、缶コーヒーくらいなら…?(^^;)
      あっ、金額は123円でした。
 【仕訳】     
普通 預金    123  /  事業 主借    123
 【解説】1)預金利息は、事業所得の収益ではないため、事業所得で収益を認識する必要はない。
      従って、事業主借として処理する。
     2)筋から言うと、上記の利子所得は、利子所得として申告しなければならない。
      が、個人の普通預金利息については源泉分離課税が採用されており、利息が附された時点で課税関係は
      終了しているので、申告も不要ということになる。
 【注意】1)法人の場合は、所得に区分がないため、受取利息として処理しなければならない。

 

 

02 店主からお金を…

 事業資金が乏しくなってきたので、事業主の通帳から引き出した。
 【設例】 仕入代金を払わなければならないのに、お金がない…。
      仕方ないので、事業主の個人預金から150,000円を引き出してきて事業資金に充てた。
 【仕訳】     
現   金  150,000  /  事業 主借  150,000
 【解説】 事業主から借りた金銭は、事業主借を使用して処理する。
 【注意】

 

 

03 生活費を渡した

 妻に生活費を渡しました。
 【設例】 今月分の生活費として200,000円を、現金で妻に渡した。
 【仕訳】     
事業 主貸  200,000  /  現   金  200,000
 【解説】1)生活費などの家事費用は、必ず事業主貸として処理する。
 【注意】1)帳簿上、生活費を取っていないと、どこからのお金で生活しているのか、私には疑問が出てくる。
      こーゆー疑問を持つのは、税務署もまた同じ。
     2)国民健康保険や国民年金は必要経費にはなりませんので、決算書では事業主貸となる。
      申告書で控除できるのでご安心願いたい。

 

 

04 生命保険の引落し

 生命保険料が、事業用の通帳から引き落とされました。
 【設例】 今月分の生命保険料25,000円が、事業用の普通預金から引き落とされました。
 【仕訳】     
事業 主貸   25,000  /  普通 預金   25,000
 【解説】1)生活費などの家事費用は、必ず事業主貸として処理する。
      必要経費ではないのだから、当然である。
 【注意】1)こういう引き落としは、別の家事用口座から引き落とすようにしないと、ややこしくなる。
      生命保険料なら一目で家事用とわかるが、電話代や電気代などの公共料金は、後で見てもどちらが事業用か、
      どちらが家事用か、分からなくなる。
     2)生命保険料・損害保険料・社会保険料などには、別に所得控除が認められている。
        生命保険料は、一般生命と個人年金で、最高額は100,000円
        損害保険料は、最高額は15,000円
        社会保険料はその年に納付した金額の合計額のすべて。

 

 

05 定期預金預入れ

 事業用の通帳から、定期預金に振り替えた。
 【設例】 多少、資金的に余裕があったので、事業用の普通預金口座から定期預金に振り替えました。
      金額は500,000円です。
 【仕訳】     
定期 預金  500,000  /  普通 預金  500,000
 【解説】1)定期預金を使用せずに、事業主貸で処理して、事業用資産から切り離しても良い。
 【注意】1)定期預金として処理をして、事業用資産に取り込んでいる場合、定期預金の利息が付いたときは、
      普通預金の利息が付いた場合と同様の処理が必要である。
     2)事業主貸として処理して、事業用資産から切り離しているときは、利息が付いた際の仕訳は不要である。

 

 

06 翌年への繰越

 翌年へ事業主勘定の繰越処理を行うために、精算仕訳を行う。
 【設例】 ようやく青色決算書の作成が済みました。
      事業主貸・事業主借・当期利益を、元入金勘定に振り替えます。
      金額は次の通りでした。
         事業主貸 5,000,000円
         事業主借 2,500,000円
         元入金  4,000,000円 (前年から繰り越された、期首残高そのままの金額)
         当期利益 3,300,000円 (青色申告特別控除前の利益の額)
 【仕訳】     
事業 主借 2,500,000  /  事業 主貸 5,000,000
          
当期 利益 3,300,000     元 入 金  800,000
 【解説】1)案外、ご質問の多い項目。
      貸借対照表科目は、基本的にはすべてそのまま翌期に引き継ぐのが原則である。
      例外が、この事業主貸・事業主借・元入金である。
     2)税務署から送られてきた青色決算書を見てもらえば分かると思うが、事業主貸や事業主借は、期首残高
      は存在しない。
      なぜなら、事業主貸や事業主借は、あくまで期中における元入金勘定の補助勘定(というか、内訳)と
      いう位置付けになっているためである。
      そのため、翌期へ繰り越すときは、本来の勘定科目である元入金へ統合するのである。
     3)本来なら、期中の事業主勘定の仕訳は、事業主貸や事業主借を使用せずに、元入金勘定で仕訳しても、
      全くまわない。
      ただし、青色申告をする事業者は、所得税法施行規則61Aで、使用すべき勘定科目が定められている。
      そのため、期中における事業主勘定の取引は、事業主貸や事業主借を使用しなければならないことにな
      っているのだ。
     4)当期利益は、その分だけ資産が増えた(あるいは負債が減っている)のだから、元入金勘定へその金額
      をプラスしなければ、一致してこない。
 【注意】1)簡単青色決算書(複式・一般)では、これらの処理は翌年へ引き継いだ際に自動処理している。
      そのため、上記の仕訳を行う必要はない。
      そもそも当期利益勘定は入力できないし。
     2)手書きで会計処理を行っている方は、ご注意いただきたい。
     3)法人では、事業主貸や事業主借という性格を持つ科目は存在しない。
      ただし、株主総会で決議された未処分利益を翌年度へ繰り越す仕訳は必要となる。
      その際に、配当、積立金などの積み立て・取り崩しなどがあれば、一緒に仕訳する。
          
未処分利益 1,500,000  /  前記繰越利益 500,000
                       /  未払配当金 1,000,000

 

 

★ 決算

01 減価償却【定額法】

 決算となったので、減価償却を行う。
 【設例】 前年以前に購入してあった、サーバー(器具備品勘定)の減価償却を行うことにします。
      減価償却に必要なデータは、次の通りです。
         1. 取得価額    300,000円
         2. 期首未償却残高 180,000円
         3. 償却期間    6年(税法上の償却率は0.166となる)
 【仕訳】     
減価償却費   44,820  /  器具 備品   44,820
 【解説】1)減価償却額の計算は、次の通り。
         1. 300,000円×0.9×0.166×12/12=44,820円
     2)個人事業者は、定額法が法定償却方法となる。
      定率法を採用するときは、別途申請して承認を受ける必要がある。
 【注意】1)上記設例の資産を、本年中に売却している(5月に売却)場合の減価償却の計算は、次の通りとなる。
         1. 300,000円×0.9×0.166× 5/12=18,675円
      この減価償却の計算は、売却に限らず廃棄・贈与した場合も同じである。
     2)償却がほとんど終わっているような場合、注意が必要。
      途中での計算は残存価額を10%残して行うが、最終的には5%まで減価償却計算を行うことができる。
      上記設例で、期首未償却残高が30,000円の場合は、次の通り。
         1. 300,000円×0.9×0.166×12/12=44,820円
         2. 300,000円×5%=15,000円
         3. 44,820円−15,000円=29,820円
     3)上記設例の資産を、本年中に取得している(9月に取得)場合の減価償却の計算は、次の通りとなる。
         1. 300,000円×0.9×0.166× 4/12=14,940円
     4)期中取得資産の減価償却を行う場合、1/2簡便法という方法もあったが、平成10年の税制改正で廃止された。

 

 

02 減価償却【定率法】

 決算となったので、減価償却を行う。
 【設例】 前年以前に購入してあった、製造用機械(機械装置勘定)の減価償却を行うことにします。
      減価償却に必要なデータは、次の通りです。
         1. 取得価額    10,000,000円
         2. 期首未償却残高  7,540,000円
         3. 償却期間    10年(税法上の償却率は0.206となる)
 【仕訳】     
減価償却費 1,553,820  /  機械 装置 1,553,820
 【解説】1)減価償却額の計算は、次の通り。
         1. 7,540,000円×0.206×12/12=1,553,240円
     2)個人事業者は、定額法が法定償却方法となる。
      定率法を採用するときは、別途申請して承認を受ける必要がある。
      設例の場合、その申請を行っていることになる。
 【注意】1)上記設例の資産を、本年中に売却している(5月に売却)場合の減価償却の計算は、次の通りとなる。
         1. 7,540,000円×0.206× 5/12=647,183円
      この減価償却の計算は、売却に限らず廃棄・贈与した場合も同じである。
     2)償却がほとんど終わっているような場合、注意が必要。
      途中での計算は残存価額を10%残して行うが、最終的には5%まで減価償却計算を行うことができる。
      上記設例で、期首未償却残高が580,000円の場合は、次の通り。
         1. 580,000円×0.206×12/12=119,480円
         2. 10,000,000円×5%=500,000円
         3. 580,000円−500,000円=80,000円
     3)上記設例の資産を、本年中に取得している(9月に取得)場合の減価償却の計算は、次の通りとなる。
         1. 10,000,000円×0.206× 4/12=686,666円
     4)期中取得資産の減価償却を行う場合、1/2簡便法という方法もあったが、平成10年の税制改正で廃止された。

 

 

03 減価償却【均等償却】

 決算となったので、減価償却を行う。
 【設例】 前年以前に取得してあった、営業権(営業権勘定)の減価償却を行うことにします。
      減価償却に必要なデータは、次の通りです。
         1. 取得価額    2,000,000円
         2. 期首未償却残高 1,150,000円
         3. 償却期間    5年
 【仕訳】     
減価償却費  400,000  /  営 業 権  400,000
 【解説】1)減価償却額の計算は、次の通り。
         1. 2,000,000円÷5年×12/12=400,000円
     2)営業権の場合、任意償却も可能である。
      つまり、月割り計算ではなく年割り計算や、全く任意に償却することも可能である。
     3)償却の費勘定科目は、『営業権償却』などを使用するのがよいのだが、『減価償却費』で充分だろう。
 【注意】1)上記設例の資産を、本年中に売却している(5月に売却)場合の減価償却の計算は、次の通りとなる。
         1. 2,000,000円÷5年× 5/12=166,666円
      この減価償却の計算は、売却に限らず廃棄・贈与した場合も同じである。
     2)償却がほとんど終わっているような場合、注意が必要。
      この計算は、残存価額は0で計算する。
      上記設例で、期首未償却残高が150,000円の場合は、次の通り。
         1. 2,000,000円÷5年×12/12=400,000円
         2. 400,000円 > 150,000円
         3. 従って、150,000円
     3)上記設例の資産を、本年中に取得している(9月に取得)場合の減価償却の計算は、次の通りとなる。
         1. 2,000,000円÷5年× 4/12=133,333円

 

 

04 減価償却【一括償却】

 決算となったので、減価償却を行う。
 【設例】 前年に取得してあった、一括償却資産の減価償却を行うことにします。
      減価償却に必要なデータは、次の通りです。
         1. 取得価額    180,000円
         2. 期首未償却残高 120,000円
 【仕訳】     
減価償却費   60,000  /  器具 備品   60,000
 【解説】1)減価償却額の計算は、次の通り。
         1. 180,000÷3年=60,000円
     2)取得した日に関係なく、その年中に取得した一括償却資産の合計を、3年間に渡って償却する方法である。
      この一括償却資産の選択は任意なので、通常の減価償却を選択することもできる。
 【注意】1)上記設例の資産を、本年中に売却している(5月に売却)場合の減価償却の計算は、次の通りとなる。
         1.  180,000÷3年=60,000円
      年の中途で売却したとしても、償却の処理は3年間継続させる。
      この減価償却の計算は、売却に限らず廃棄・贈与した場合も同じである。
     2)上記設例の資産を、本年中に取得している(9月に取得)場合の減価償却の計算は、次の通りとなる。
         1. 180,000÷3年=60,000円
      つまり、一度一括償却資産として計上すると、購入時期に関わらず、売却しようが破棄しようが、3年間
      で均等償却を続けることになる。
      残存価額は0で計算する。

 

 

05 減価償却【即時償却】

 決算となったので、減価償却を行う。
 【設例】 即時償却は、平成13年3月31日で制度はなくなりました。
      従って、通常通りの減価償却計算を行うことになります。
 【仕訳】
 【解説】

 

 

06 売掛金について

 売掛金を計上しなければ…。
 【設例】 郵送した12月締めの請求書(11月21日 〜 12月20日分)は、売掛金に計上しました。
      それと同時に、12月21日 〜 12月31日の売掛金も計上しました。
        12月締めの請求額は380,000円
        12月16日〜31日までの仕入額は、220,000円
 【仕訳】     
売 掛 金  380,000  /  売   上  380,000
          
売 掛 金  220,000  /  売   上  220,000
 【解説】1)売掛金は、12月締めの請求書のみならず、12月31日までに売上げた売掛金の計上を忘れないようにする。
 【注意】1)売上だけではなく、雑収入の入金が翌年に廻っているような場合にも注意が必要。
      例えば、古い事務機器を引き取ってもらって、その入金が翌年に廻っているような場合だ。
      こういう場合は、売掛金ではなく未収入金を使用する。
          
未収 入金   5,000  /  雑 収 入   5,000

 

 

07 買掛金について

 買掛金を計上しなければ…。
 【設例】 送られてきた12月締めの請求書(11月16日 〜 12月15日分)は、買掛金に計上しました。
      それと同時に、12月16日 〜 12月31日の買掛金も計上しました。
        12月締めの請求額は450,000円
        12月16日〜31日までの仕入額は、170,000円
 【仕訳】     
仕   入  450,000  /  買 掛 金  450,000
          
仕   入  170,000  /  買 掛 金  170,000
 【解説】1)買掛金は、12月締めの請求書のみならず、12月31日までに仕入れた買掛金の計上を忘れないようにする。
 【注意】1)仕入だけではなく、経費の支払いが翌年に廻っているような場合にも注意が必要。
      例えば、年賀状の印刷代金の支払いが翌年に廻っているような場合だ。
      こういう場合は、買掛金ではなく未払金を使用する。
          
広告宣伝費   5,000  /  未 払 金   5,000

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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